排尿障害|かぬま泌尿器科クリニック|栃木県鹿沼市の泌尿器科・内科|駐車場完備

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排尿障害

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排尿障害とは

排尿障害

排尿障害とは、尿をためて体外に排出するまでの過程に異常が生じ、尿をうまく貯められない、あるいは尿をうまく出すことができない状態を指します。最近は排尿障害の諸症状を下部尿路症状(LUTS:Lower urinary tract symptoms)と総称しています。

下部尿路症状(LUTS)の症状

  • 排尿後も残っている感じがする、すっきりしない(残尿感)
  • 尿が近く、トイレに行く回数が多い(頻尿)
  • 尿が途切れる(尿線途絶)
  • 急に尿意を催してトイレに駆け込みたくなる(尿意切迫感)
  • 尿の勢いがない(尿勢低下)
  • お腹に力を入れて尿を出している(腹圧排尿)
  • 就寝中トイレに2回以上起きる(夜間頻尿)

LUTSの原因となる代表的な疾患

前立腺肥大症

前立腺は男性のみにある臓器で膀胱と尿道の付け根に位置し、尿道をぐるりと取り囲んでいます。生命を維持する働きはありませんが精液の一部を生成、また排尿に関与しています。
前立腺は年齢とともに肥大する傾向にあり、結果的に内部を通過する尿道が圧迫され尿の勢いが悪くなったり、排尿に時間がかかるようになります。また、膀胱に少しずつ負担が生じ、結果的に膀胱の知覚過敏が生じ尿の回数が増えたり、我慢ができなくなったりします。
疾患自体は老眼と同様、いわゆる加齢による変化といえます。このためよほど経過が悪くなければ命にかかわることはありませんが、放置すると尿道が完全に閉塞し自力で尿を出せなくなる(尿閉)ことがあります。また腎機能障害による毒素の蓄積(腎不全)に陥ることもあります。
治療の基本は、まず排出症状を改善させることです。尿の排出をスムーズにすることにより膀胱の負担も改善され頻尿や切迫感などの蓄尿症状も改善することが期待できます。
改善されない場合は改めて過活動膀胱の治療を併せて行います。初期に行う薬物療法の効果が不十分な場合、手術療法も検討されます。一般的には尿道から手術用の内視鏡を挿入し、電気メスで前立腺の肥大した腺腫を切除する経尿道的手術が行われます。

過活動膀胱(OAB:Overactive bladeer)

過活動膀胱(OAB)とは尿意切迫感(突然おしっこがしたくなりもれそうになる)を主症状とし、頻尿と夜間頻尿を伴う疾患です。過活動膀胱は40歳以上の男女の14.1%が罹患し、またその半数が尿失禁(切迫性尿失禁)を伴うとされています。原因は様々で、脳血管障害(脳卒中)、パーキンソン病、脊髄損傷などの脳脊髄神経疾患が原因となることや、加齢による膀胱機能の変化、前立腺肥大症に伴う膀胱機能の変化、明らかな原因疾患のない(特発性)場合もあります。過活動膀胱は症状に基づく疾患ですので、自覚症状の評価が最も重要です。尿検査や超音波検査などで膀胱炎、膀胱結石、膀胱がんなどの疾患が隠れていないことを確認したうえで、問診票(過活動膀胱症状質問票)を基に診断を進めます。治療には生活習慣の見直し(過剰水分摂取制限、早めにトイレに行く)や膀胱訓練、骨盤底筋体操、薬物療法、磁気刺激療法、ボツリヌス毒素膀胱内注入などがあります。

肥満、生活習慣病に伴う排尿障害

近年、肥満、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)に伴う排尿障害が問題となっています。これは、肥満やインスリンの不調による膀胱容量の低下、動脈硬化による膀胱の慢性虚血からの膀胱の知覚過敏、内臓脂肪由来の悪玉サイトカイン増加による膀胱粘膜の慢性炎症などが原因として挙げられます。生活習慣病の精査、加療と併せて症状コントロールを行います。

神経因性膀胱

神経因性膀胱とは脳・脊髄の中枢神経、あるいは脊髄から膀胱に至るまでの末梢神経の様々な疾患により、膀胱や尿道の働きが障害され排尿障害をきたす疾患の総称です。脳血管障害(脳卒中)、パーキンソン病、けが(脳挫傷、脊髄損傷など)による中枢神経障害、糖尿病、子宮がんや直腸がん手術の後遺症による末梢神経障害などにより膀胱・尿道の機能が障害され排尿がうまくできなくなる状態を指します。放置すると尿路感染や腎機能障害を引き起こすことも少なくありません。腎臓や膀胱の機能を評価し、腎機能保持、感染の予防に努めていきます。

服用中の薬剤によるもの

普段服用している薬剤の副作用として排尿障害が見られるものがあります。
排尿障害をきたす薬物を、服用の必要性と併せて見直していきます。