尿路結石
尿路結石
食べたり飲んだりしたものが腎臓でふるいにかけられ、いらなくなった水分、毒素が不要物として排出される腎、腎盂、尿管、膀胱、尿道からなる構造物をを尿路といいます。この通り道に不要物がさびのように浮き上がって形成されたものを尿路結石と呼びます。
尿路結石症自体は、よほど経過が悪くなければ生命にの危機となることはありませんが、時に尿の流れを妨げたり(尿管結石、尿道結石の発作)、閉じ込められた上流の尿が感染を引き起こし閉塞性の炎症をひきおこしたり(腎盂腎炎)、症状がないからといって閉塞の状態で放置すると腎機能障害(腎不全)を引き起こすことがあります。
原因は様々挙げられよくわかっていないところもありますが、その発症には食生活が大きく関係しています。
かつて粗食だった時代から豊かな食生活へと移り変わり、そこに現代社会が抱える不規則な生活様式が重なり、罹患率は増加傾向となっています。カルシウム結石が8割を占めますが、必ずしもカルシウム摂取が過剰だから尿路結石になりやすいということではなく、高脂肪食、肉類などの動物性たんぱく質食が主な原因となります。例えば肉類、練り物、嗜好食品などを多く食べると、シュウ酸や尿酸、リン酸などの物質が体内に増えます。普段おいしいおいしいと思って摂取している食べ物には多く含まれると言っていいと思います。メタボリック症候群や高尿酸血症などの生活習慣病に当てはまる方は、尿管結石が発症しやすいので注意が必要です。その他副甲状腺機能亢進症、クッシング症候群などの内分泌疾患、加齢によるホルモンバランスの異常、ステロイドホルモンや過剰なビタミンD製剤の服用、尿路感染、遺伝が原因で発症することもあります。
尿中の血液や汚染、pHを調べます。
腎機能や炎症の確認をします。
直接結石を見つけ出したり、閉塞による腎臓の腫れ(水腎症)の有無を確認します。
身体への負担が少なく、小さな腎結石やレントゲンにうつらない結石の診断に有用です。
尿路結石の有無、位置、大きさ、個数を評価します。
レントゲンにうつらない結石もあります。
腎~膀胱の結石の有無、位置、大きさ、個数、臓器への影響の程度、炎症、他疾患との鑑別等非常に有用性が高い検査です。
小結石(4ミリ以下)は比較的高い確率で自力での排出が期待できます。 それよりサイズが多少大きくても自排する期待度はありますが、逆にそれよりサイズが小さくても自排しない場合もあります。この場合著しく社会生活に支障をきたす恐れがあるため、早期に破砕する必要があります。つまり、結石の診断時に重要なことは自排を待つほうがいいのか、破砕が推奨されるのかを見極めることです。この際起こりうる炎症や腎機能低下などの合併症に留意することは言うまでもありません。当院では、手術が必要な場合は速やかに近隣の医療機関にご紹介させていただきます。
尿道から内視鏡スコープを挿入して、レーザーによって結石を砕いて除去します。
腎臓から膀胱までの尿の流れを確保する必要があれば、尿管カテーテルを留置することもあります。
皮膚から腎臓に向かう穴を開けて内視鏡スコープを挿入し、結石を砕いて除去します。
大きな腎結石がある場合に用いられる治療方法です。
体の外から衝撃波を当てて結石を細かく砕き自然排石を待ちます。
麻酔を使わずに治療可能ですが、結石の大きさなどによってこの治療が適さない場合もあります。
感染や閉塞など腎機能が結石によって重大な障害を受けている場合に行われることもあります。